
暮らしやすさ・使いやすさ
いつまでも住み続けたい家をつくる
美し信州建設がめざしていること、それはお客様が「決して手放したくない」と思ってくださるような家をつくることです。お客様がそう思って、大切に手入れして住んで下されば、家の資産価値も上がりますし、資源を無駄遣いしないで済みます。第一私たちにとって、それはおおいに自慢できることです。
では、いつまでも住み続けたくなるような家をつくるにはどうすれば良いのでしょうか。そこには<賢く暮らすためのデザイン>というものが必要になってきます。どういうものか、早速お話ししていきましょう。
設計士が考える
「賢く暮らすためのデザイン」とは?
可変型の間取りであること
家づくりを計画中の皆さんにまずアドバイスしたいこと、それは“部屋に名前をつけない”ということです。不思議なことに「寝室」「居間」「子供部屋」などと、名前をつけた途端、それ以外の使い道を考えられなくなってしまうということが起こります。そうなれば、もしお子さんが4人いらっしゃる場合は子供部屋だけで4部屋必要になり、とても現実的とは言えません。 ましてこれからは大きな家が建てにくい時代になります。エネルギーのことだけを考えても、大きな家はロスが多く省エネにつながりません。 それではどうするか、小さく建てて大きく使うデザインを考えなくてはなりません。そのためには部屋をなるべく区切らず、その時々の用途に応じて使い方を変えられる、いわゆる“融通の利く状態”にしておくことが大切です。そこで登場するのが日本ではおなじみの<引き戸>です。 |
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空間演出のすぐれもの、引き戸
西洋の<ドア>は明確に空間を仕切るという役割をもっており、閉まっているのが本来の状態です。それに対して日本の<引き戸>は、開いていても閉まっていてもよいという曖昧な存在。ふすまや障子などは閉めることで視線は遮っても音は聞こえており、たとえ聞こえても聞かなかったことにするという、西洋人からすれば摩訶不思議なことが行われてきました。
しかしこの日本独特の文化が、空間を有効に使うことを可能にしてくれます。引き戸が全開になっていれば家族だけの時間、どこかが閉じられていればお客様がみえているんだなというように、日本人は自然に使い分けができるからです。引き戸をおおいに活用して、空間を上手に使いこなしましょう。
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空間にメリハリがあること
天井は高ければ良いというものではありません
お客様で、「天井を高くしてほしい」とおっしゃる方が結構いらっしゃいます。しかし高ければ良いというものでは決してないことを、ぜひ知っておいていただきたいのです。
たとえば和室。畳に座ることが前提ですから、天井が高いと逆に不安を感じたり落ち着かない気持ちになることがあります。洗面所やトイレなどの狭い空間でも同じことが言えます。
美し信州の家の設計では、玄関の天井を低めにすることがよくあります。そこからリビングに足を踏み入れた時、吹き抜けのリビングを見て、実際以上に広く感じてもらえるからです。茶室に入る時ににじり口から入りますよね。理屈としてはあれと同じことです。
低いところから高いところへ、また高いところから低いところへと、家の中にはメリハリが必要です。均質化された体育館や倉庫のような空間では、人はリラックスすることができません。自然の中の散歩道と同じように、家の中にも少し変化をつけてあげる、そのことによって家はいきいきとした精彩を帯びてきます。
均質化された空間設計 |
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空間にメリハリを加えることで |
バランスが良く、疲れないこと
木をどれくらい見せるか
美し信州建設を住まいづくりのパートナーに選んでくださるお客様のほとんどは、「木が好き」とおっしゃいます。しかし「木が好き」な方にもいろいろあって、ログハウスのように木ばかりの空間が好きという方もいらっしゃれば、柱は見えない方が良いと仰る方もいらっしゃいます。 設計の専門用語に<木視率>という言葉があります。家の中で木の見える割合を表した言葉なのですが、この木視率によって空間がきれいに見えるかどうかが左右されます。木視率が高すぎると圧迫感を覚えますし、低すぎると物足りなさを感じるので、設計担当としてはさじ加減がむずかしいということになります。 美し信州の家のモデルハウスでも、1階は柱を見せずに2階は見せる、木の壁だと重くなるので格子にするなど、設計士が知恵を絞っています。一度、木視率にテーマを絞ってモデルハウスを見学されるのも面白いかもしれません。 |
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和の要素がどこかにとり入れられていること
“和”は心と体にやさしく、あたたかい
日本建築の美しさは世界中の建築家から認められています。美し信州の家は、伝統的な日本家屋とは違いますが、和の美の素晴らしさを出来る限り取り入れようとしています。障子越しの光、清々しい畳の香り、意匠を凝らした格子のデザインなど、日本の家づくりは五感に訴えるものが多く、しかもやさしく、やわらかいのが特徴。疲れた心や体を癒すにはもってこいです。
美し信州建設では針葉樹を多用していますが、これも日本建築に昔から使われてきた素材です。西洋でよく使われる広葉樹が堅く、冷たい肌触りなのに対し、針葉樹は柔らかく、あたたかい肌触り。やさしく、軽やかで、ぬくもりに満ちている、それが私たちの遺伝子に刻まれた日本建築の真髄です。
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建物に合った家具であること
長野県産の木曽ひのきや遠山杉、信州唐松などでつくる美し信州の家。建物と同じ素材でつくった家具を置けば、さらに引き立つと思いませんか?一枚板のテーブルやリビングのテレビ台などといった大きなものから、トイレのちょっとした収納まで、生活に合わせた家具をあらかじめ作ってしまえば、空間を無駄なく使え、後から家具を置く必要もなくなります。
美し信州建設の完成見学会では、家を見るのはもちろんですが、この造作家具を見るのが目的というお客様もかなりいらっしゃいます。「うちもこんなの欲しいな」とヒントにされているのです。大工さんと家具職人さんのコラボで、なるべく低価格でご提供できるように、私たちも心がけています。テーブル用の一枚板は、倉庫にかなりの数を保管しており、お好きなものを選んでいただくことができます。良い建物と、それに合った造作家具、その組み合わせは、何年経っても飽きの来ない家を約束してくれます。
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設計士の上手な使い方
設計士の立場からいろいろなことをお話ししてきました。でもお客様の立場からすれば、「そもそも“何”を伝えれば、自分たちがずっと住みたいと思う家を提案してくれるの?」と思われるのではないでしょうか。
お客様の家をつくらせていただくにあたって設計士が一番欲しいと思うもの、それはテーマです。<「奏でる」を楽しむ家>、<陽楽の家>など、テーマをもつことによって、細部に至るまでのイメージが湧いてきます。そして、そのテーマは設計士が勝手に決めるのではなくて、お客様からお聞きした言葉をもとにして、徐々にかたちになっていくのです。
ですから、お客様は新しい家で家族がしたいと思っていること、家族に対する思い、これまでに自分が育ってきた環境など、いろいろなことを出来る限りたくさん設計士にインプットしてください。設計士がテーマ探しの拠り所にするのはそこしかありません。設計士は自分の作品をつくるのではありません。お客様が叶えたい暮らしのかたちが、設計士というプロを通して、図面になって出てくるのです。お客様が暮らしていく上で大切にしたいと思われていることと、その家とがぴったり合った時、その家は地球上で最強の家族と愛を守る家になるのです。
家づくりのヒントをあなたに合ったやり方で見つけましょう